ページ

人工知能も炎上する時代?ロボットの前に自分の知能をデバッグしなさい!



人工知能も炎上する時代?ロボットの前に自分の知能をデバッグしなさい!

  • 他のアニメ雑誌ならさほど問題にならなかったかも知れないが、公の学会誌のカバーでこのデザインは拙いでしょう。こういうイメージで人工知能を理解しているなら一度解散してはどうか。何を目指しているのかしっかり議論してから出直すべきではないか。


http://digital.asahi.com/articles/DA3S10915763.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S10915763

女性ロボットの表紙めぐり“炎上” 人工知能学会誌、デザイン一新で

2014年1月9日05時00分

写真・図版人工知能学会の学会誌「人工知能」の表紙=人工知能学会のウェブサイトから

 腰からケーブルが延びた女性型ロボットが、右手に本、左手にほうきを持ってこちらを見ている。人工知能学会の学会誌の表紙を飾ったイラストに対して昨年末、ツイッターで「女性差別だ」と批判が上がった。学会誌のあり方をめぐる議論になった。

 人工知能学会は1986年発足。学会員数は約3千人。年6回発行の「人工知能学会誌」は学会員に配られるほか、一部の書店で売られている。1月1日発行分からタイトルを「人工知能」に改め、表紙デザインを一新。学会サイトで公開した。

 「巻頭言」によると、リニューアルは、社会への情報発信の決意を込めた。表紙イラストは「日常の中にある人工知能」というコンセプトで、掃除機にも人工知能技術が使われているというメッセージを託したという。

 だが、公開直後からツイッターで「学会を挙げた性差別」との批判が続出。現代アーティストでマサチューセッツ工科大助教のスプツニ子!さんは「ひどすぎ! うつろな目で掃除をする女性型ロボット」とつぶやいた。朝日新聞の取材に「家事をする女性型ロボットが学会誌の表紙を飾るのは、国際的なジェンダーの問題意識に対して無自覚に思えた。米国で、学会誌が黒人のお掃除ロボットを表紙にしたら問題になるのと同じ構図」と訴える。

 一方、過剰反応と反論する投稿も。「アンドロイドつくるなら可愛い方がいい」「個人の願望レベルでしょ」といった具合だ。

 同誌の編集委員長の松尾豊・東大准教授によると、イラストはネットで公募。女性イラストレーターが描いたこの作品は応募100件の中から、一般と学会員の投票で圧倒的多数の1位に選ばれ、女性を含む理事会(20人中女性1人)と編集委員会(30人中女性3人)の投票でもそれぞれ2位、1位だった。理事会では「なぜ女性なのか理由付けが必要」との意見も出たが、最終的には投票結果を尊重したという。

 松尾さん自身も女性がどう感じるかが気になり、個人的に編集委員や学会事務局の女性に意見を求めたが、「ネガティブな反応はなかった」という。「予想以上の反響。学会誌は読む人がいいと思うものを提供しつつ、学会の公共的な側面とバランスをとる必要がある。今後の表紙を考える参考にしたい」と話す。

 (冨岡史穂、高久潤)

 <平川秀幸・大阪大教授(科学技術社会論)の話> 趣味の同人誌ならまだしも、より公共性が求められる学会誌としては問題だ。学会は、研究が専門家集団の外側にどんな影響を与えうるのかを「組織的に考える場」でもあるからだ。技術の進歩の具体的なかたちは社会や文化的文脈によって決まっていく。だが、そうした関係を無視して科学技術を社会や文化と切り離し、独自に進歩すると考える傾向がある。今後はこうしたデザインだけでなく、研究開発も含め、人文社会系の研究者や一般ユーザーと一緒になって考えていく必要がある。

ブログ アーカイブ

7

30

365