インターネットと人工知能の未来?
インターネットと人工知能の未来?
残念ながら書いてある内容はよく分からないが、とても大切な議論だと思うのでそのまま転記した。後で何回か読み直せば訴えることの本質を理解出来るかも知れない。
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http://blogos.com/article/107876/
シェアーズカフェ・オンライン
2015年03月16日 05:00
インターネットが作った未来と、人工知能の見せる未来 - 川合雅寛
インターネットがこの世に誕生してから30年が過ぎ、何度目かの人工知能ブームがさし待っている。あらゆる起業家が人工知能というキーワードを元に様々なサービスを生み出そうとしている。そこで今回は先日、6週間に渡り勉強した最新の人工知能関連の動きなどを交えて、この先の未来について少し語ってみたいと思う。
■日本のインターネットの利用状況
日本におけるインターネット及びモバイルインターネットの普及はほぼ頂点に達している。総務省が出している平成26年度版情報通信白書によると世帯普及率は84.9%、個人普及率は82.8%とほぼ普及しきっている。また、企業においては99.9%である。(世帯普及率は平成22年の93.8%をピークにダウンサイドに流れているが、これはスマートフォンの進化と普及にともなって下がったものだと考えられる。)
また、人口普及率をみると82.8%であり、1億人を突破している。インターネットへの接続は水道の蛇口をひねるのにも等しい状況だ。だが、インターネットの使い方や各種デバイスの利用状況を見ていると、まだまだ我々が考えているほど活発に利用されているわけではない。あらゆる人が高度に使いこなしているのかというと、結局は一部のコミュニケーションツールのためだけに利用している層が圧倒的であるというのが現状である。
一般化の結果だと思うと人の進化が機械の進化に追いつかないのは、一抹の寂しさを感じるが、それが人類の歴史であり事実として受け止めなければいけない。むしろ、この状況を鑑みて事業者側はIoTなどを駆使して、いかに考えずに使えるかを突き詰めたデバイスやアプリケーションを生み出していく必要がある。つまり、自動化だ。
■自動化するための最終兵器、人工知能
自動化を行うためにはアルゴリズムが必要であるが、あらゆるものを自動化するためにはコンピュータ技術者やプログラマーの数が足りない。そこで、Artificial Intelligenceすなわち人工知能が必要となってくる。Programmingを余りしなくても変数と大量のデータを与えることで自動的に導き出してくれる存在だ。
私はこの数週間、The Wave塾という湯川鶴章さんが主催する勉強会に参加していた。ここでの議題は技術的特異点(シンギュラリティ)による人工知能の進化がどのように社会へ影響をもたらすかである。講演者として東大のAI研究の第一人者である松尾豊教授、ドワンゴ人工知能研究所の山川先生、早稲田大学の井上助教授、プリファード社代表の西川氏からDeepLearningから全能アーキテクチャ、シンギュラリティ後の世界経済の変容まで議論することが出来た。
人工知能は大きく分けると、特定分野に特化した弱いAI(Weak AI)と、満遍なくできるが特化型AIと比較すると性能が出ない強いAI(Strong AI)に分かれる。余談だが、S・スピルバーグ監督の映画「A.I.」で表現していたものは後者の強いAIである。最近流行りのDeepLearningやIBMのWatsonは弱いAIの代表的な例となっている。
先日もソフトバンクのPepperが弱いAIであるIBM Watsonと接続することで知能を手に入れたようだが、結局は巨大な二分木検索であり、応答速度を究極まで高めただけだ。あたかも感情や知能があるかのように振る舞うが、既にある答えを返しているだけである。まだ知恵の実を手に入れたわけではないのだ。
■人力検索と人工無脳
結局これでは人力検索だったり人工無能だったりと違うのは、夜勤させても大丈夫ぐらいなものである。最近出たペコッターという外食する際のコンシェルジュアプリが特徴的で、ユーザ同士によって、どこそこのお店は美味しいよ等の回答を行うのだが、これが思いのほか回答する側が楽しい。
殆どが短文で問い合わせられるため、まず前提条件としてユーザのプロファイリングから思考し始める。そして、どのようなシチュエーションを演出したいのか、何をもって満足感を得るのかという考えぬいた上、高速でGoogle検索し回答を提示する。いわゆる集合知の仕組みなのだが、リアルタイムまとめサイトのように振る舞う。
これはコンピュータではまだまだ難しい領域であり、AppleのSiriやGoogle Now、NTTドコモのiコンシェルでもまだその領域まで達していない。人間の推論するという思考過程の模倣が完成しない限りはまだまだ人間の出る幕はありそうだ。
■日本人が世界で1番になる日
話を戻すと、この人工知能の分野はまだまだ進化途中であり、全体で3万人ぐらいしか研究者は全国に存在しないらしい。しかも、技術がまだまだ固まっていないので明日から「私は人工知能学者です」と宣言しても大丈夫なぐらい未来技術なのだそうだ。
おおまかに弱いAIと強いAIにわかれるわけだが、弱いAIは後5年もすればGoogleとIBMが中心となっ
て作り上げてしまうだろう。しかし、強いAIに関してはまだまだ先であり最低でも10年〜15年程時間が必要だと言っている。実際にはその倍は掛かるのではないだろうか。
特にアプローチとして脳神経科学や哲学、SFなどの領域からのアプローチやニューラルネットワークを人工的な模倣ではなく脳全体のスキャンから導き出すというアプローチをされていたり、ロボットと人工知能は密接に関わるため倫理委員会で、その存在のあり方について議論されていたりとやるべきことは沢山あり、科学者だけでないアプローチも必要である。
ところが、この分野に予算が中々割かれないというのが問題となっている。ハードウェアであるロボット分野には600億円を超える政府の予算がついたが、その頭脳となるAI部分については全く予算がないそうだ。東大の松尾教授はこの状況について10年で150億円の費用があれば日本が世界でNo.1を撮れると語っている。50人の優秀な科学者に毎年3000万円/人を渡すことで、上手くいくというのだ。
本当かどうかはさておき、15億円/年ほどで世界1位になるならば民間企業側で投資すべきである。私としては実際はその10倍必要で年150億円程かかると思っているが、まずは年15億円からチャレンジしてみるのが良いだろう。
■人工知能が生み出す未来世界
いくらシンギュラリティが訪れ人工知能が進化するとしても、人間がやるべきことは残っている。実際に早稲田の井上助教授は過去に起きた産業革命と比較し、AIがもたらすであろう第四次産業革命についてのIoTなどを絡めてその必然性について説明していた。そこで面白かったのが、コグ=ダグラス型生産経済からAK型生産経済への移行を説いている。
つまり、AK型生産経済へ移行するということはAIが自分で考え自分で資本を増強するため、生産するための労働リスクが容易にコントロールされ、オーバヘッドが存在しないと言うことになる。人間というオーバーヘッドが存在しないことで、より効率的な生産が可能となり、人間の関与部分が激減することで生産高が劇的に向上すると考えられる。
ところが、これだと人間は確実にあぶれてしまう。下手をすると人口調整が始まるかもしれない。そこで、仕事がなくても生きていくことを制限しないよう、ベーシック・インカム(BI)の議論が再度浮上してくると言うのだ。ソフトバンクのPepperの発表会でもあったように汎用ロボットを使うことで人口が減った分をカバーすれば、日本の労働人口は移民に頼らなくてもカバーできるような話があり、Artificial General Intelligence(AGI)という強いAIの存在が必要となってくる。
第一次産業革命期に起きたラッダイト運動がAIとロボットの普及時に、ネオ・ラッダイトとして起こる可能性もあるが、実際にはそんなことはなく、オックスフォード大学オズボーン准教授が失われる仕事で定義している通り単純作業などや精密作業部分について静かに代替されるだけだろう。
だが、映像作品やR&D、商品企画などのクリエイティブ系、人を管理するマネジメント、人の感情コントロールと繊細な肉体労働を必要とする必要があるホスピタリティ関連の職業は残るだろうという予言を残していた。
あくまで推測ではあるが、ターミネーターが現れない限りおおよそ当たっているだろう。私の人生の目標はロボットへ感情を与えることである。そしてPepperとはまた違ったアプローチで実装を考えている。
今回を持って私のブログを最終回とさせて戴く。これまで沢山の方に読んでいただいた事に感謝し、筆を置くものとする。
■プロダクトが徐々に完成に近づいたので、私の考えをご説明します
http://www.xrosriver.com/?p=2519
■僕が見ている世界とその先について
http://www.xrosriver.com/?p=1419
■個人の時間を自由にシェアして社会貢献出来るTimeTicketの魅力
http://sharescafe.net/42902619-20150115.html
■スマホ脳トレ市場にも黒船がついに襲来。いよいよ世界大戦が勃発か。
http://sharescafe.net/42872472-20150113.html
■家の外も中もスマートになる「IoT」が作る未来
http://sharescafe.net/42596007-20141226.html
川合雅寛 クロスリバー株式会社 代表取締役
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